令和3年度 決算

決算規模

令和3年度の一般会計の歳入総額は、71億1,876万4千円、歳出総額は、68億4,063万4千円となり、前年度に比べ歳入は6.5％、歳出は6.1％の増額になりました。

国庫支出金や町税が減となったものの、地方交付税や繰入金、地方債の大幅な増により歳入が増額となり、国・県の財源も活用したコロナ対策事業のほか、学校給食センター改築事業など前年度から繰越の大型事業の実施により歳出も増加し、歳入歳出ともに前年度を上回る決算規模となりました。

収支

令和3年度の実質収支は、1億5,642万3千円の黒字決算となり、前年度実質収支額の1億3,470万6千円を差し引いた単年度収支でも、2,171万7千円の黒字となりました。

また、実質単年度収支は、基金への積立金と起債の繰上償還金が黒字的要素となるため、1億5,362万7千円の黒字となりました。

歳入

町税は、総額で11億4,111万8千円、前年度比5.8％の減収になりました。法人町民税、たばこ税、軽自動車税は増収となる一方、固定資産税は、事業者の税負担を軽減するために実施した減免措置等により、前年度に比べ5,333万3千円、8.0％の大幅な減収になりました。

地方交付税は、経費算定に地域デジタル社会推進費の追加、高齢者福祉費や地域振興費の増に加え、12月に国の補正予算における追加交付があり、全体で3億2,884万2千円、16.7％の増収になりました。内訳としては、普通交付税が2億9,786万円、16.4％の増収、特別交付税は3,098万2千円、20.6％の増収になりました。

交付金は、固定資産税の事業者に対する減免措置分を補填する新型コロナウイルス感染症対策地方税減収補填特別交付金の創設により、地方特例交付金が2,694万2千円、275.3％の増収となったほか、地方消費税交付金は、1,731万4千円、8.1％の増収になりました。

国庫支出金は、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金や子育て世帯への臨時特別給付金、学校施設環境改善交付金などの増があったものの、前年度の特別定額給付金の減により、5億3,447万6千円、34.3％の減収になりました。

地方債は、総額で6億724万4千円となり、前年度に比べ2億6,922万1千円、79.6％の増額になりました。これは、臨時財政対策債が増額になったこと、さらに学校給食センター改築事業に係る学校教育施設等整備事業債や緊急防災・減災事業債等の発行額の増によるものです。

歳出

性質別の決算規模では、補助費、公債費、繰出金・出資金が前年度に比べ減少し、扶助費、積立金、普通建設事業費等が増加しました。

補助費は、令和2年度に実施した特別定額給付金事業の影響で、前年度に比べ10億1,795万円、49.3％の大幅な減額となる一方、扶助費は、コロナ禍による生活支援として実施した子育て世帯への臨時特別給付金や住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金等の実施により、2億406万8千円、38.8％の大幅な増額になりました。また、普通建設事業費においても、学校給食センター改築事業や飯島体育館大規模改修事業、飯島流ワーケーション事業など大型事業の実施により、9億8,712万8千円、145.8％の大幅な増額になりました。

なお、積立金は、災害等の不測の事態や定住施策関連の補助金等の財政需要に備え、財政調整基金へ積み立てを行ったほか、今後の公共施設の長寿命化対策等の財源として、公共施設等整備基金へ積み立てを行ったことにより、1億9,315万8千円、73.5％の増額になりました。

まとめ

財政基盤の強さを表す財政力指数は、平成29年度以降同水準で推移してきましたが、令和3年度は、前年度に比べ0.02ポイント低下し0.39になりました。

経常収支比率は9ポイント減少し、74.3％になりました。これは、経常的経費充当一般財源額の一部事務組合負担金が減となるとともに、経常一般財源の地方交付税や臨時財政対策債が増になったことが主な要因となっています。

地方債に係る指標である実質公債費比率は、標準財政規模における普通交付税や臨時財政対策債発行可能額の増などにより、0.8ポイント減少し、9.0％になりました。

今後も、下水道事業会計への補助金等のほか、広域連合・伊南行政組合への繰出金の増、公共施設等の長寿命化対策の実施、社会福祉関係経費の増など厳しい財政運営が予想されます。新規・拡充事業の実施については、慎重に検討し計画性を持った事業執行と財源の確保を研究するとともに、引き続き、経常経費の精査、起債の繰上償還の実施、国県の補助金や交付税措置のある有利な起債の活用に取り組みながら健全な財政運営に努めます。