施政方針
令和7年度施政方針
令和7年度予算は、物価高騰対策を継続しながら、今後も変化を続ける社会に迅速かつ柔軟に対応しつつ、第6次総合計画に掲げる主要施策の実現に向け、各種施策を展開します。
重点ポイントは、「子どもの元気と学びの力」、「安全で安心なまちづくり」、「共に支えあえる地域づくり」、「環境共生・GXの推進」の4点を掲げて取り組みます。
1.「子どもの元気と学びの力」
安心して子育てできる環境整備
・妊娠、出産、子育てに関する各種相談や健診などを行う母子保健機能と、子どもへの虐待事案や特定妊婦など支援を必要とする方への対応を行う児童福祉機能を一体化したきめ細かい支援を実施するため、「飯島町こども家庭センター」を設置
・全ての子どもたちが、未来に希望を持ち、自己肯定感の醸成と地域の人や社会と関わる力を育み、子どもらしく安心して過ごすことができる教育支援センターとして「飯島町子ども第三の居場所」の整備
子育て世帯への支援
・自宅で育児をされる家庭への支援として、在宅育児支援金制度の創設
・学校給食費の一部補助
・中学校入学準備品の一部助成
・日常英会話の支援、キャリア教育の推進を継続
国民スポーツ大会の準備
・「信州やまなみ国スポ」に係る柏木運動場整備に着手
・大会の受け入れ体制の準備を進めるため、実行委員会組織の立ち上げ
2.「安全で安心なまちづくり」
防災力の充実
・災害対策基本法の改正や南海トラフ地震を始めとする大地震、頻発する豪雨災害など変化する災害状況に対応するため、地域防災計画の改訂・更新を実施
・タイムラインの策定(防災行動計画)
消防団の充実
・第1分団第1部の車両更新
・消防団員が消防団車両を運転するために必要な準中型免許の取得費用の助成
・団員間の連携と連帯感を図るため、消防団が企画・実施する交流会開催の支援等により、団員確保や団組織を強化
3.「共に支え合える地域づくり」
母子保健事業の充実
・低所得者の妊婦に対して、保険適用とならない妊婦の初回受診料を助成
・医学的な理由で遠方の分娩取扱施設へかからなければならない妊婦に対する交通費や宿泊費の助成
・子どもの出生に対して出産祝い金を創設し、経済的支援・地域全体で支えるための子育て世帯支援を充実
福祉・健康増進の取り組み
・グループホーム事業者へ町が家賃を助成することで低所得利用者の経済的負担を軽減
・居場所づくり、まちかどベンチの設置により、高齢者やその家族等も安心して地域で生活できる施策を実施
4.「環境共生・GXの推進」
環境共生の推進は、脱炭素、生物多様性の醸成、リサイクルの推進の3本柱で取り組みます。
生物多様性の取り組み
・「生物多様性いいじま戦略」および「飯島町版レッドリスト」の策定に向けた町内の希少種の分布や生息状況調査の実施
・ミヤマシジミを始めとする希少な動植物の生息地の荒廃を防ぎ、生息環境を回復させるための施策を、町・住民・事業者がそれぞれの役割で取り組むことで「命への共感に満ちたまちづくり」を推進
以上、4つのポイントと、その他、多くの課題や住民要望にも総合的に対応するため、各種事業を展開します。
第6次総合計画の基本構想に掲げる町の将来像実現のための取り組み
『住民と行政の創合力による安全で安心なまちづくり』
・J-ALERT(ジェイアラート)、県の衛星系防災無線の設備更新
・住民や事業者がインターネット上で正確かつ迅速にインフラ情報や防災対策について閲覧ができる公開型GIS(地理情報システム)の整備
『美しく快適な暮らしの環境を将来へつなぐ』
・飯島町カーボンニュートラル実行計画に基づき、再生可能エネルギーの導入を推進するため、町が専門的知見を持つ事業者から技術的支援や制度設計の構築に関するサポートを受け事業推進体制を強化
・生活環境の向上対策として、特定の飼い主のいない地域猫や多頭飼育の猫に対する去勢手術・避妊手術補助制度を創設
『誰もが健康で居場所と出番があり共に支え合える地域 づくり』
・高齢者の補聴器購入費助成事業の拡充(対象者の非課税要件を、世帯ではなく本人とし、助成金額を増額)
・健康増進の場として好評の「フレイル予防教室」の開催数とコースの拡充により健康寿命を延伸
『地域特性を生かした産業の創造と振興のまちづくり』
・長野県の伴走支援を受け、「地域複合営農(組織営農)」をベースに、3年をかけて、農業農村の維持・活性化を目指す「輝く農山村地域振興事業」の取り組みに着手
・町の農業農村活性化計画「地域複合営農への道V(パートファイブ)」の後期計画を策定
・道の駅田切の里の移動販売車事業の終了に伴い、新たに移動販売事業を行う民間事業者への運行経費の支援を実施
・日曽利地区と島河原地区の圃場整備は、引き続き、県やJR、地元との調整を図りながら計画的に事業を推進
『暮らしを支える強靭で快適なライフラインの創造』
・町道関連は、社会資本整備総合交付金事業により、上ノ原幹線や鳥居原横断線などの道路改良工事や高尾原北線の道路舗装補修工事のほか、七久保地区のJR新田第一踏切の周辺箇所の改良工事の実施
・河川関連では、大雨による越水が心配されている北河原・中平地区の古川の改修工事を実施
・住宅施策は、住宅の瓦屋根の点検経費の助成制度を創設し、耐震化対策を推進
『魅力向上で住みたい・住み続けたい地域づくり』
・観光関連は、傘山第一展望台へトイレの追加設置
・iiネイチャー春日平は、地域おこし協力隊を活用しながら町・民間企業の官民連携で運営
・出会い・婚活推進事業は、飯島町を移住先として結婚相手を見つけていただく「移住婚」に重点を置いたイベントを実施
・自治組織の在り方については、関係者を含めた検討組織を立ち上げ、将来的な方向性を検討
『子どもの元気』と「学びの力」でいきいき豊かな暮らし
・保育園業務支援システムの導入により、児童の登降園や保護者との連絡等をアプリ上で行い、保護者の利便性の向上と業務を効率化
・ALTを2名体制に増員し、保育園児から中学生までの英語教育の充実を図り、国際理解教育を推進
・生涯学習関係では、指定避難所でもある本郷公民館の長寿命化と環境改善を図るため、屋根や外壁等の改修工事を実施
・飯島陣屋の活性化を図るため、利便性の高い場所へ駐車場を確保
『将来像を実現する想像力にあふれた行政基盤づくり』
・令和8年4月の運用に向け、飯島町第6次総合計画の改定を進めるとともに、国のまち・ひと・しごと創生長期ビジョンや国勢調査結果等と整合を図りながら、飯島町人口ビジョンの改訂を進めます。
むすびに
第6次総合計画の5年度目に当たり、折り返し地点の年となります。
町の将来像実現のため、「つなぐ」力で、だれ一人取り残さない、「こどもからお年寄りまで、生き生きと安全で豊かに暮らす予算」として編成しました。
厳しい財政状況ではありますが、各事業の進捗状況を確認し、検証を行いながら効果的な事業実施に取り組み、飯島町の美しい自然に育まれた生活環境を守りながら、10年先の町の姿を見据え、将来の世代に引き継ぐため、人への投資や官民連携を更に推し進め、住民が安全安心で住み続けられるまちづくりを着実に推進します。
引き続き、物価高騰対策を図りつつ、住民の皆様の暮らしを守り、幸福度が高まるような施策の展開を適切な時期に実行することが、町民の皆様に信頼される行政運営であると考えます。
町民の皆様からの負託と信頼に応えるべく、全職員が行動力を発揮し、一丸となって全力で行財政運営に取り組みます。
この記事に関するお問い合わせ先
飯島町 企画政策課 財政係
〒399-3797 長野県上伊那郡飯島町飯島2537番地
電話番号:0265-86-3111(代)
ファクシミリ:0265-86-4395
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更新日:2025年04月14日